2021年の高校演劇全道大会を振り返ってみる

※2021年12月初旬にこの投稿を書いていたのだけど、いろいろあって年が明けてしまいました。そのため、以下の文章は「2021年」のことです

 

11月に伊達市で行われた高校演劇の全道大会を観てきた。各学校の感想は、顧問の先生に直接お伝えしたり、後日メールで送ったり、嬉しいことにTwitterの北海道の高校演劇(@hkd_kokoengeki)さんがまとめてくれたりしてくれた。

参加校を見れば「全道常連校」が多い印象が強かった。が、ふたを開けてみれば、予想以上にバラエティーに富んだ大会だった。そして、とてもワクワクした大会だった。大会から約1カ月経った今、私の記憶の中で息を吹き返しているのは、帯広柏葉の舞台。結果は奨励賞だったけれど、もう一度観てみたいと思っている。五十嵐先生が作品に散りばめたテーマを、違う側面から受け止めてみたいと思っているのが理由だ。

帯広柏葉『平行に交わる』は、体育祭の前日が舞台。体育館で翌日の体育祭の用意を進める中、雨の予報を知り、慌てふためく生徒たちを描く。演技でみせるのはもちろんのこと、小気味良いセリフ運びで飽きさせない。でもそこに、いろんなテーマが投げ込まれて、物語は「平行に」どころではなくなる。ただこれは、自分なりの視点を持って一つ、あるいは複数のテーマにフォーカスできる、という自由もある。私がずっと観ていたのは、放送局長(の女子)だ。みんなが「暑い」と口々に言う中、長袖のパーカを脱がず、一人だけ妙に落ち着いている(ように見えた)。セリフなどで明らかにされないけれど、放送局長はトランスジェンダーなんだろうなという余韻を残す。例えばドラマや映画などでは、外見は女性だけど内面は男性という「トランスジェンダー」の役は、服装やヘアスタイル、話しぶりや身ぶりが男っぽく描かれることが、なぜか多い。そういうフィルターがかかったまま放送局長を見ると、明らかに違った。そういう画一的ではない描き方が普通になってくれたらなぁ、とふと考えた。

舞台以外に一番印象に残ったのは、近くに座っていた網走南ケ丘の部員たち。客席の雰囲気を動かすような彼女たちの反応、私にはできないなと羨ましく思った。それと14日の幕間で、網走南ケ丘の掲載記事を見せていたら、話しかけてくださったのが劇作家・演出家・「うさぎ庵」主宰の工藤千夏さん(丸一日、隣に座っていたのに全く気付かずに申し訳ありませんでした…マスクのせいです…)。帰りのJRもご一緒し、全国大会や高校演劇の面白さなど、貴重な話を聞かせていただいた。来年のとうきょう総文、観に行かないと!と強く思った。

全道大会とは直接関係ないけれど、羨ましいほど高校演劇を観まくっている青谷まもみゃ(@mmm_aoya)さんとお知り合いになれたり、TBSラジオの澤田大樹記者(@nankuru_akabeko)が編集した「高校演劇ZINE」を入手して仕事の合間に熟読して、北海道版を作るれるんじゃないかと妄想したり…(そして工藤千夏さんに、「澤田記者とは、きっとどこかで会えますよ」と言われたり)。と、こんな感じで2021年の高校演劇を締めくくりたいと思う。

 

最後に、あらためて全道大会の結果を。

最優秀 大麻『Tip-Off』(とうきょう総文2022)

優秀 滝川定時制『鉄(かなわ)輪』、 余市紅志『緋の衣』 、 札幌啓北商業『七夕』(大阪・春フェス)

優良 網走南ヶ丘、富良野、札幌啓成、函館中部定時制

text by マサコさん

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