先に答えを書いちゃうと、「既成作品だから」である。台本を書いた人の権利を守るために、書いた人に「使いたいです!ここ変えたいです!こう変えました!いいですか?」などと申し出る必要がある。演劇の台本以外にも、例えばXにアップされている画像は撮影した人に著作権があるし、そもそも撮影する人は写す相手に「撮りますよ!」と許諾を得なければいけない(基本的には。例外に「写してアップして」と言う人もいるけどね)。まあ、そんな感じでタイトルには「算数」が入る。
演劇部の生徒が上演作品について頭を悩ませている。そこからいきなり、「8時だョ!全員集合」のノリな高校教師たちの〝自主練〟の舞台へ。3年生を送る会で教師が学年ごとに出し物をしなければいけない中、演劇部の顧問がいるということで3年生は演劇作品を上演を目指している。それぞれの言い分で台本がまとまらず、内容はあっちに行ったりこっちに行ったり。学校のガラスが割られる事件も発生する中で、送る会当日がやってきて-、とこんな感じ。
9月の石狩支部大会でも観ていて、その時は「演劇部の生徒のアイデア」→「高校教師たちが送る会で演劇を上演する」だと思って観ていた(その理由は、教師たちの言っていることが今と昔のことが混在していたし、それNGじゃない?的なことも多かったから)。でも、今回、中禰先生からDVDをいただいて観たところ、「高校教師たちが送る会で演劇を上演する」話は、全く別の学校のことだと分かった。とはいえ、Oshiriは「ガラスを割っていたことを3年生を送る会で話した」としか言わないから、そもそも「教師たちの出し物は存在しなかったのでは」という受け止め方もできる。この作品を「はじめ・中・おわり」で分けた場合、観た人の中には「中の時代だけ違う?」とか、その中でも「時代背景がバラバラでは」と感じた人もいたと思う。元々の台本を読んだことがないので実際がどうなのかは分からないが、全道大会の映像ではこんなことをぐるぐると考えていた。
こんなことを考えるに至ったのは、山の手のみんなの演技が秀逸だったのが大きな理由。特に高校教師たちが演劇を練習する場面。「みんな高校生なんですよね?」と思ったし、特に八代先生のバブルな感じがヤバかった。酒瓶を持って教室になだれ込んでくる姿も良かったし、いろいろな人に告白されまくるシーンが、一昔前の少女マンガのコマを実写化したようにも見えて笑えた。演じた向島さんは1年生。Oshiriの声も機械的なアクセントで上手く演じていて、次の作品が楽しみである。
本作のノリを「わかって」楽しめるのは、ドリフを知っている世代なのかな。個人的にナガムツさんと吟子さんに観てもらって、感想を聞いてみたい。
2023.12.24 自宅でDVDを視聴
text by マサコさん