福地さんの演技、すばらしかったです。
本当のおばあちゃんみたいでした。
抑揚も、手の震えも。
どんな子でも、親は思っている
というのがわたしの腑に落ちたことでした。
どんな悪態をついても、
どんな暴言を吐いても、
悪いことをしても、
そんな風に育ててしまったのはわたしのせいと、責任を負う母。
そして、「それでも」と子や孫の幸せを望む母。
それらを畳み掛けるようなシーンの、無音さ、間合いがよかったです。
わたしの両祖母と母は介護をする間も無く亡くなったため、もしこんな状況だったらどんなだったろうかと、想像せずにはいられませんでした。
どんな状況であれ、いつもきっと思っていてくれるんだとも。
どんな子でも、親は子を思っている
というのが、この劇の中で一番に感じ入ったことでしたが、
そう思うと、削ぎ落としてほしいシーンはいくつかありました。
でも、介護や死を扱った作品がただただシリアスなものにならなかったのはよいことだと思います。
シリアスなだけで進んでいたら、見ているのは苦痛で、嘘くさくもあったはず。
劇中、無駄な場面ってすごく大事だけど(無駄から生まれるリアルさがあると思う)、その”無駄”がいかに自然に登場するか、というのが重要なんだなあ、と思いました(ドラマ『カルテット』はその部分が本当に秀逸だったと個人的に思っています)。
他の世代がどう思いながら見たのか、気になる作品です。
20170725 19:30- コンカリーニョにて
text by 中脇まりや