9/2 19:00から開演の野田秀樹作上演クラアク芸術堂「半神」を観劇。舞台セットは去ることながらセリフや音の美しさを役者がわかりやすく演じていました。なかでも、タンゴのリズムで踊りくるうシーンは印象的で光や音も相まってシュラもしくはマリアがどこへ向かってどうなるのかという謎に意識を奪われました。終盤につれてみえてくる半分と半分に発見がつまっていて、よくおさまった舞台だなと思いました。
わかりやすい演出ではあったのですが、舞台として僕は物足りなさを感じました。こんなにもわかりやすく演じられたキャラクターがつきまとって、考える猶予のある間やシーンがあって、解釈を誘導されている感覚につまらなさを感じました。途中なんどかあった稽古のようなシーンもサンピアザの距離感でぬるっと劇空間から離脱させられ、逆に頭がはっきりして本編までに休憩してしまいました。萩尾望都の原作も野田秀樹の上演も観たことがないのでよくわからないですが、演出の言葉にあった”わけがわからないのに面白い”にはならなかったです。おちるところにいろいろな保険が用意されていることがわかったうえで、演者が下げにかかるのでおちることを誘導された気分になりました。キャラやわかりやすさを追及して!
肝心の世界が広がらないなとつまらなくなってしまいました。YouTubeにアップされている野田さんの演出を観て、また考えてみようとおもいます。なんにせよ、はて?と思える言葉が面白い脚本で考えれば考えるほどハマる作品だなと思いました。脚本が面白いので機会があればもう一度触れてみたいです。
投稿者:りゅうた
text by 招待企画ゲスト