マイペース「ばかもののすべて」をコンカリーニョにて。和菓子屋の店主の初七日に集まった家族の騒動。店主の写真がサイトータツミチさんなので、アドルフから繋がっているような感覚が(笑)。出てくる人が好き勝手な事を言って、弔う気持ちが無いように見えたりする場面もあるけど、そんなもんだよね。
小林さんが感情を露わにするような台詞を無感情な感じで話すのはやっぱり怖い。倖田さんは、出てくると舞台が彼中心で回り始める感じ。大谷さんは、また別の感じの存在感。名前がテルだったのでてるてる坊主ネタがあるかと思ったら、そこまでベタでは無かった。
強引にではあるけど人間という言葉を強調するのは、うまく考えたもの。店主の死によって変わってしまった状況を何とか受け入れようと、じたばたする姿は、みっともなくても、自分勝手に見えても、人間の姿そのもの。誰でも、優しさも嫌らしさもどちらもあるものね。
ドタバタしつつ、何となくまとまって終わった印象。いろいろあったけど、あの一家は明日から日常を取り戻し、時々失ったものに思いを馳せたりして、あらためて悲しみを感じたりするんだろう。祭りのあとの寂しさか、ぽっかり空いた穴なのか。
- 2017/11/11 14:00
- コンカリーニョ
text by 小針幸弘