リチャード三世はシェイクスピアの書いた、いわゆる古典という事で皆さんは内容をご存知なのでしょうが、とにかく観劇経験の浅い僕にとっては物凄く早いテンポ。これが普通なんですか?特に序盤は役者さんの活舌の悪さ、後ろを向いて台詞を話されるときには、ほとんど聞き取れない。頭に入ってこない。外国人の名前だし、地名だし。
僕には全然わからないまま終わってしまうのではないか。と思いながらも、必死に食らいつくように観劇しました。本当に、皆さん寿限無の暗誦してるの?というペース。
途中の老人役が登場して少しペースが落ちたところで(と言ってもやはり全体的には早いし、正直まだまだツライ)、主人公リチャード役の相馬さんの台詞に抑揚がついてきて聞きやすくなってきました。悪い顔もなかなか良い感じでした。
おしなべて長台詞の人たちは、自分が言えているだろうと思いながら息継ぎをしているのだけれど、僕は前のほうに座っていたにもかかわらず全然聞き取れなくて残念でした。特に大事な場面でやられるとやっと頭の中にできてきた相関図がぐしゃっとなりました。
あとでパンフレットを拝見したのですが、役者の方と一般の方が混合されていたようなのですが、役名を確認すると役者の方にこそその傾向が顕著だった印象。なにか、一息で言い切らないといけないルールが存在しているのでしょうか?
あとはリチャードが身体が不自由であり、口が達者なところでのし上がる、というところが醍醐味なのではないかと思うのですが、その相手をやりこめる、コロッと騙されていく語り口がしっかり聞き取れないのは、水戸黄門で最後に印籠だすからまあ途中のことはそこそこでいいでしょう、という感じがしました。なんで身内が殺されたのに妻になったり、娘を差し出すことになったりしたのか未だにわかりません。
とはいえ、ラストシーンはダイジェストのように重要な役がでてきたので、なんとなく相関図の確認ができたし、役者さん達の真摯な芝居に熱が伝わってきました。やりきった皆さんの顔はとても清々しかったので、こういった表現の場を与えている弦巻さんの意思の表現は成功しているんだろうなと感じました。
11/24 18時 サンピアザ劇場
投稿者:橋本(30代)
text by 招待企画ゲスト