yhs「白浪っ!」をコンカリーニョにて。歌舞伎を原作とした現代劇。江戸幕府が続いているという、永井豪の漫画でしか見たことがないような設定で、昔の話と現代を混ぜ合わせた格好。見得を切る場面なんかもあって歌舞伎風だけど、それが無くても話として充分面白い作り。最後もかっこよかった。
舞台の背景部分が右上から光が当たっているかのように斜めに切られており、そこからの出入りなんかもあったけど、見事だと思ったのは対決シーン。手前で対峙し、武器を突きつけている二人の影が、背景部分でスポットライトを浴びているような形で浮かび上がっていた。
「つづく、」の時も光の使い方がきれいだと感じたので、光と影の使い方が、この劇団の持ち味のひとつなのかもしれないと思い始めている。当たり前の事なのかもしれませんけど。
主演の櫻井さんははまり役。拍手を煽る手の動きもいい感じ。重堂さんの銭形警部っぽさも面白かった。
心残りがあるとしたら、青木さんが見得を切るところで、「女王様ッ!」という掛け声をかけられなかった事。度胸が無くて、できませんでした。再演の時こそと思って見たりもするけど、多分無理。
いろんな意味で、現実と芝居が混じり合ったお話でした。
- 2017/12/02 19:00
- コンカリーニョ
text by 小針幸弘