【特別寄稿】TGR、12年目のリニューアル 寄稿者:藤村 智子

この「語り場」に思いがけずTGR札幌劇場祭2017【特別寄稿】が企画されて、受賞された方やゆかりの方たちの投稿に接し、TGRを主催する側の1人として、嬉しく拝読させて頂きました。

TGRは12年目を迎えた今年、少しリニューアルをしました。2006年のスタート時から5年目になる2010年に公開審査会・授賞式の形式にしました。これは参加劇団にとって画期的なこととして歓迎され、授賞式や交流会の出席も賑わいを見せたと記憶しています。しかし、回を重ね、公開審査会が常態化していく中で、徐々に審査会に対する見方も変化して来ました。SNSなどを通じて容易に作品に対する反応が得られるようになったことなど、時代の変化も要因の一つであったかもしれません。

このようなことから、札幌劇場連絡会として内外の意見を伺いながら検討を重ね、作品の講評はTGR閉幕後ホームページ上に掲載する、その分の授賞式の時間短縮は交流会にあて、劇団関係者と審査員が対話する時間を充実させる、賞を増やし、劇団や俳優の励みになるものにする、などの内容が決まりました。その結果、今年の交流会は、ここ数年にはない出席者数で賑わいました。

こうして臨んだTGR2017の授賞式ではありましたが、まだまだ行き届かず、配慮に欠ける点があり、すでにご指摘を受けているところです。これらのことは今後に生かして行きたいと思います。

今、閉幕してみると、公開審査会が無くなったことを物足りなく感じたり、惜しむ声を直接間接に頂くことがあります。ここ1,2年はどちらかと言うと不要論を聞くことが多かっただけに、その声に安堵もしました。公開審査会は審査員の方々にとっても少なからずプレッシャーであり、負担でもあったはずですが、真摯に作品に向き合い検討を重ねる姿勢が、決して徒労ではなかったのだと思いました。

TGR札幌劇場祭はまだまだ発展途上です。皆様のご支援・ご指導を頂きながら、あるべき姿を求めて、進化して行きたいと思います。

皆様、来年もTGRでお会いしましょう。
どうぞ良いお年を!!

寄稿者:藤村 智子
札幌劇場連絡会会長

text by ゲスト投稿

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