根強い“クニ”への思い。私や周辺の人、特に札幌の人は土地への愛着・執着が少ないような気がします。お国言葉や見える景色に誇りと尊厳を強く持つ彼らの姿は新鮮に、(ある意味では恐ろしく)感じました。
劇題にまでなっている「コーヒー」ですが、なぜコーヒーだったのか。わからなかったので少し調べて納得しました。コーヒーの花言葉は「一緒に休みましょう」。コーヒーを飲んで美味しいと感じた忠助は、もう休むべきであって、不味いと吐いたあとの二人はまだ生きていく力があったのかなと思いました。
連続して起こる同志の死を歌う姿には、ひどく心が苦しくなりました。もうやめてくれと思う私の心以上に、当時の藩士たちはどうやって日々をやり過ごしたのでしょう。迫り来る死は病だけでなく、アイヌの手にかけられた者もあったのだと、もう、何も考えず見ていることしかできませんでした。怖いのに綺麗で、誰も責められなくて、燃える山と細くなる灯がますます苦しみを強めていきました。交錯する負の連鎖が立ち込める異常な空間、それが隠されようとしていたこと。事実、今回の劇を知るまでこの事件のことは知りませんでした。
演劇として歴史を取り上げること、それを今に持ち帰って観客に問いかけること、めちゃめちゃに考えさせられているので大成功だなと思いました。ホエーーーーイ!お疲れ様です!
1月30日19時 シアターZOO
投稿者:すこげ(10代)
text by 招待企画ゲスト