ネコ!ネコ!ネコ! 劇団米騒動『夢をみている』

劇団米騒動「夢をみている」をBLOCHにて。冒頭のシーン、犬かと思ってみていたら猫の話だった。で、そういう目で見始めると、衣装も、歩き方もどことなく猫っぽく感じてくる不思議。ユリのツンとした感じなんかは、飼主が飼い始めた高級な猫を、飽きて持て余しているんだろうなという感じに見える。
描かれているのは野良と飼い猫という猫界の格差社会のお話。はるかに良い条件だけど繋がりなく生きるのか、生きるだけでも厳しい状況だけど、他者と繋がって生きるのか。ソラの選択は、野良の世界での繋がりが、どれだけあったかというのが強いようにも感じる。
エピローグはルーキー物の映画にありそうな、かつてのルーキーが今やベテランという形。直前の描写が、前半に思い入れがあるほど、キツく感じるものだっただけに、救いを残したというところだろうか。ソラ役の人の前半の楽しそうな感じが良かっただけに特にそう感じます。
劇中の描写だと、出会った翌日みたいに見えてしまい、そこまで執着するかとも思うけど、見落としていたという事で、数週間から数ヶ月経過後の出来事と脳内で補完。飼い猫と野良の関係が、自分の周りの何に相当するかと考えてみるのも一興。次回作がどうなるのかにも期待。

  • 2018/03/17 19:00
  • 約1時間
  • BLOCH
公演日:

text by 小針幸弘

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