座・れら「The 別役!」をシアターZOOにて。
起こっていることははっきりしているけど、どういう意味があるのか考え始めると泥沼にはまってしまうような作品群。台詞もはっきり伝わってくるし、役者陣が変なことをしているわけではないのに、自分が何を観ているのかわからなくなっていくという楽しい混乱。
「いかけしごむ」
話が噛み合わないし、女の主張がかなり独善的に見えるけど、男の主張がそれに輪をかけて変なので、どちらにも感情移入できずにいるうちに、話がどんどん変な方向に。かと思うとずれたと思った話が元に戻ったり、混乱して訳が分からなくなったところで思わぬ形の最後。
ところで何で「いかけしごむ」かと思ったけど、並び替えると「むごいしかけ」なんですね。まあ、考えすぎだろうけど、ラストを思うとそうかもと思ってしまいます。
「眠っちゃいけない子守歌」
これもお互いに理路整然と話しているようでいて、話が噛み合わないもの。ただ信山さんの話し方がchannel-Eで時々やっている真顔で冗談を言うときものに見えてきて、それだけで妙におかしくなる。
登場人物的には、間違いなく真面目に話しているんですけど、相手の話をしっかり聞いたうえでの会話で、しかも話が噛み合っていないというのがなんともムズムズするところ。コミュニケーション能力が高い人が、お互いに自分の主張を無理に押し通そうとしているというところか。
「トイレはこちら」
話が二転三転して、どうなるかと思ったらあの結末。どう考えてもおかしいけど、理路整然と主張されるともしかしたら……と説得されそうになるのはよくわかる。最後の展開と表情が何とも言えない。ところで、話し方が関西風に思えたけどなんでだろう。
「招待されなかった客」
最初は男がそういう客という話なのかと思ったけど、終わってみれば男女とも同じような状況。社会の流れから取り残されて、居場所が無くなってしまったふたりの話と言いう事なのか。自分たちが高みにいるようにふるまっているけど、実は……というのは何とも切ない。
- 2018/07/14 20:00, 07/15 12:00, 14:00, 16:00
- シアターZOO
- 各約1時間程度
text by 小針幸弘