ダイバーシティ大盛り:アッシュランド OSF その1『お気に召すまま』

アッシュランド、オレゴン・シェークスピア・フェスティバル その1

https://www.osfashland.org/en/productions/2019-plays/as-you-like-it.aspx

演出 ローザ・ジョシ

主役ロザリンドは、アジア系ジェシカ・コー、相手のオーランドはローマン・ザラゴーザ、各役者の出身などは一切不明だが、彼もオリエンタル系の外見。追放された公爵役は、トランスジェンダーで女性として演じられ、道化と羊飼いの少年はゲイ・カップル、公爵が女性であるのに合わせてか憂鬱なジェイクイス役は女性、という、これでもかというくらいダイバーシティ満載。私はそう違和感なかったが、テキサスからのおじさんは正直に、ゲイ・カップルに違和感があったとの感想だった。それも含めてダイバーシティだ。翌日クラスに来たジェシカは、明るいフツーの人だった。もともと好きな作品ではないのだが、ダイバーシティ以外に強い印象はなかった。

本作品は、タイトル通り、お好きなように生きなはれ、ってなもんだが、演出の焦点はロマンスに当てられ、楽しく散漫な印象で、騒がしく、コメディらしく最後は森での複数カップル誕生で終わる。これが少し浅薄な印象だった。森でのロマンス生活はめでたし、めでたしで終わるも、この後には、さて宮廷に帰らねばという現実がある。宮廷生活と森の生活との対比となる本作品では、都会の人間に大自然が与えるような治癒的効果、つまり森が人間に及ぼすマジックのような力が背景にあるべきと思うが、それはあまり感じられなかった。

二幕の超有名なジェイクイスのセリフ、「この世界全てが一つの舞台、人はみな、男も女も役者に過ぎない・・」をエピローグとしてわざわざラストにおいている。楽しいロマンス芝居の最後に暗いセリフでバランスをとったのか、有名なセリフだから最後に聞かせたかったのか。エピローグとする理由や効果は私には思い当たらない。アメリカ人クラスメイトも、あれ、あの有名なセリフがないぞ!と思っていたら最後にあった、という安堵感を述べていただけだった。

2019年8月1日 Angus Bowmer Theatre

text by やすみん

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