一匹狼ズ 『きまぐれポニーテール×ロンリーアクタープロジェクト~番外編』

「きまぐれポニーテール×ロンリーアクタープロジェクト~番外編」をBLOCHにて。毎度お馴染みの一人芝居のお祭りの番外編。統一テーマなどはなく、やりたい事をやる、星新一のエッセイで一匹狼の集団という表現があったけどそんな感じ。番外編というのは募集の仕方がいつもと違うという事なのかな。


「にせんねん女子高生」
寺地さん百面相。あんなに走って大変だと思ったけど、前作が「わたし〜」だから慣れているか。SF風味の青春物で、小ネタも交えつつ、終盤まで疾走。時間物お約束のラストは好み。意図的かもしれないけど、終盤に台詞が聞き取りにくくなったのが少し残念。


「ガンガンデストラクション」
木を隠すには森の中という言葉があるけど、下ネタが悪目立ちするなら下ネタの量を増やしてしまえば……と考えたかどうかはわからないけど、下ネタ多めの笑える作品。だけど、よくまあこんな話を考えつくよなぁ。遠藤さんは飛んだり跳ねたりまあ大変。


「しましまおじさんはよこしまである」
札幌公演の目玉。ヒーロー愛に溢れる怪人とは思えない怪人というのが面白いし、情けない感じわ含めて見事に表現されていた。笑わせておいて最後は感動的。おじさんシリーズらしいけど、数年後を見越したお父さんシリーズではないかと。


「わたしというこ、或いは」。私小説あるいはエッセイ風の語りをしながらの変身。変わりっぷりが見事で、変身前後の写真を見せられても、同じ人だとわからないかも。途中から学問のすゝめがまるでお経のように聞こえて来て、引き込まれるように観てしまう、何か不思議な話でした。


「よふけのビート」。冒頭の残業の場面から、主人公の状況は酷くなる一方なんだけど、同情ではなく笑いを取りに来ていて、見事に乗せられました。終わってみれば、格闘技で踊るような動きという表現があると思うけど、全てをそこに持っていくために使ったような作品。オチも好み。


  • 2017/09/08 20:00
  • BLOCH
  • 約2時間

text by 小針幸弘

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