ゆるズレちょいシュール 劇のたまご『ぐりぐりグリム第一章 おかしな森のヘンゼルとグレーテル』

※作品の素敵な印象についてはこちらの記事をお読み下さい。
ここではその他の内容を、箇条書きにて失礼します。
 
 
○3つの童話を森で繋げる構成のアイディアが面白い。

○序盤のテンポが遅く、カエルとお姫様の物語に入るまで集中できなかった(目の前に座っていた子どもも)。ヘンゼル兄妹が森で捨てられるシーン、最初の石を目印にする部分はカットして、パン屑からスタートしても良かったのでは。繰り返されると冗長に感じてしまった。

○看板をめくって「い」などと言うシーン、何度も強調するので語句を繋げたら言葉になるのかと思って待っていたが、関係なかった。

○櫻井幸絵が演じる「母」は、どんな母なのだろう。食料がないからと子捨てを提案、裏では憎々しげに語りながら、別れ際には愛情深げに子の頬をなでてみせる。いや、ここでそこまで愛あるフリを子にしてみせる理由がないよね? 騙すためでも。不要で捨てるものを愛おしげに触るって、人格的に壊れてる。優しげに声をかけてみせる、ぐらいでいいのでは…。演出家はどう考えているのかな。
「もしかすると、これは魔女に違いない」と思って結末を待ったのだけど、違った。でも家に帰ったらいなかったし、やっぱり魔女だったに違いない。

○池の出現が面白い。カエルの動きが素敵。

○「鉄のハインリヒ」の部分は全体とトーンが違うような。おぼろなオシャレ感とファンタジックなムードが去っていってしまった。森から出たせい?

○千年王國『狼王ロボ』でも思ったが、動物を演じようとすると手は握って曲げる、が一般的なのだろうか。しかしその曲げ方、私には猫っぽく思えるのだが…。馬…。

○劇のたまご『注文の多い料理店』より美しかったし楽しめた。綺麗系ファンタジックからのゆるズレちょいシュールなトーンを目指しているのかな、と想像している。
 
 
2017年11月4日15時 シアターZOOにて観劇

text by 瞑想子

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