若さに感心 ‐ 劇団plus+『姉妹、一肌脱ぎますッ!』

TGR新人賞エントリーの作品を観たのは今回が初めてでしたが、(良い意味で)若いなぁーと感心しながら観ていました。小学校・中学校・高校と駆け足で貧乏エピソードを紹介したのち、おもむろに登場人物が舞台上に揃いタイトルコールというオープニングの流れに、少々面喰ったりしましたが(タイトルコールって新人賞ではよくあること?)、折々に挟み込んでくる小ネタに笑った90分。少し長くは感じたものの、割と楽しく観ることができました。ハチャメチャな世界観で、借金1千万を大学生の姉妹が二人で返済しようとするそもそもの設定が現実味薄いけれど、でも何故か許せてしまう作品の勢いは評価できる点だと思います。(実はチャラい警官が、姉妹の生き別れの兄とか言われても許せてしまうくらいハチャメチャ…)
 
ただ難を言えば、話の枝葉があっちこっちに伸びすぎて、肝心の〈借金返済〉という目的がボヤける時がありました。詐欺なの?借りるの?貢がせるの?と途中何度か見失ったのは、私だけではないはずだ…。あと〈ラブコメディ〉という宣伝文にも違和感が。コメディはともかく、姉妹の相手となる男性達の登場が突然すぎて、突然なのにあっさり恋仲になりすぎて、なんというか現実味の薄い二人でした。ラブの要素薄かったよね?そんな中で、全く好きにはなれないけど目立っていたのは奇妙奇天烈な隣人役の男性。彼のようにフィクションに振り切れた存在が一人いるだけで、多々ある他のツッコみどころが全て許せるレベルに見えてしまうから不思議です。
 
新人賞受賞作品は、気になってはいても作品を観る機会がなかったので来年以降も是非、受賞作を再演してくれると嬉しいのですが。
 
1/23(火)20:00~ BLOCH

text by うめ

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